■宮城県気仙沼市にて
このたび、震災後から常に頭の中にあった「被災地ボランティア」を実施することができました。
縁あって気仙沼の一般社団法人気仙沼復興協会(KRA)とのコンタクトをとることができまして、2日間という短い間でしたがボランティア活動を行いました。
■気仙沼市の現在
津波で甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市の漁港周辺は、3年経ったいまでもその爪痕は深く、一見日常を取り戻しているかのように見えますが手付かずの場所が多いのが実情です。
■KRAにて「おうち整体」をレクチャー
KRA福祉部では、津波で住居を失った住民が生活している仮設住宅の見守り事業を継続しています。
住民の孤立化を防ぎ、また自立を促進する新たな地域コミュニティ作り支援を目的としています。
今回は仮設住宅にて実施する前にKRAの職員の皆様に、当院が普及している「おうち整体教室」をレクチャーしました。
福祉部のスタッフさんは全員で20名くらいでしたが、レクチャーを進めていくうちに自然と笑顔になって、笑い声も多く和やかに時間を過ごすことができました。日頃のお疲れのせいか、ウトウトしてしまうかたもいらっしゃいましたが。
事務局長さんのお話では、普段は班に分かれて仕事をするため横のつながりがあまりなく、部内のレクリエーションとしても有効だねなんてお言葉も頂きました。
「おうち整体教室」では細かい技術よりもコミュニケーションを深めることを主体としています。
相手の体に触れることは相手の疲れを知ることですので、とても効果があったようです。
■大峠山仮設住宅にてレクチャー
福祉部でのレクチャーの次は、ついに仮設住宅にて実施しました。
最初に伺った所は60世帯ほどが生活する、大峠山仮設住宅でした。
仮設住宅ではKRAが定期的に「お茶会」を開催し、住民の交流の場を設けています。今回は普段行っている体操の後に、「おうち整体教室」を椅子に座ったままでレクチャーしました。
ご夫婦で参加されたかた、初めてこのお茶会に参加されたかた、様々な立場の皆様にお互いの肩をほぐしあっていただきました。
この日はNHKの取材も入りまして、記者さんも一緒に交じって行いました。
冗談を言う人、黙々とほぐす人、様々ですが誰かに肩をほぐしてもらうなんてことは幸せだね、なんて言いながら楽しい時間を過ごしました。
レクチャーでは会話のテーマを決めてお話していただくことがありますが、今回は「最近、ほしいもの」ということで始めたました。
そして、皆様がやはり口々に言ったことは「家が欲しい」ということでした。このテーマは少し可哀想かなと思いましたが、一番思っていることを言葉にすることが大切だと思いましたのでそうしました。
気持ちを吐き出したことで、その後は大爆笑の時間となりました。
■松岩後沢の仮設住宅にてレクチャー
翌日伺った松岩後沢の仮設住宅は20世帯ほどの小さな場所でしたが、その分お話も充実しました。
今回は座布団で正座しながら、お互いの肩をほぐし合いました。
仮設住宅に住まれているかたは、津波の被害についてご自身の経験をよくお話します。ごった返す避難所での生活も。笑い話にして色々なエピソードをお話しますが、将来についてはまだ口が重いようです。
■2日間のレクチャー終了
仮設住宅の他にも社協の会議でもレクチャーを実施しまして、今回はレクチャーを4回行うことができました。
でも仮設住宅は気仙沼市に90ヶ所あります。
是非、次の機会にまた伺いたいと思いました。
気仙沼の人は本当に気取らず素直で、温かい人情に溢れています。